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毎日新聞 2022/1/7 20:20(最終更新 1/7 20:20) 720文字




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パソナグループの南部靖之代表=東京都千代田区で2022年1月7日、小出洋平撮影

 人材派遣大手パソナグループの南部靖之代表は7日、毎日新聞のインタビューに応じ、オンラインの仮想現実空間「メタバース」の関連事業に参入する考えを示した。今春、社内外から専門技術を持った人材を集めたチームを立ち上げる。仮想空間を活用した新たな雇用のあり方を創出する狙いだという。

 南部氏はメタバースについて「老若男女が平等な空間で格差がない。年齢や障害の有無などに関係なく、いろいろな人が働きやすく、新しい雇用手段を創出できる」と強調。同社は働き方改革や災害への備えとして、本社機能の一部を東京から兵庫県・淡路島へ移転する計画を実行しているが、「メタバース上で営業もできるし、副業もできる。淡路島での生活をバーチャルに体験してもらい、移住につなげることもできる」とも語った。ベンチャー企業やアーティストなども誘致し、地域の雇用創出や文化振興の支援も手がけているため、こうした事業との相乗効果も狙う構えだ。



 メタバースを巡っては、ネット交流サービス(SNS)大手の米フェイスブックが社名を「メタ」に変更。今月に入り、パナソニックがメガネ型のVRグラスなど関連製品を発表したほか、ソニーグループもメタバースに再現したスタジアムでファン同士が交流しながらサッカー観戦を楽しむサービスの実証実験を始める計画を発表するなど、世界で参入が相次いでいる。【松山文音】

メタバース
 「meta(超越した)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、仮想現実(VR)の技術を応用して構築されるインターネット上の仮想空間のこと。自身の分身となる「アバター」で利用者同士が交流することができ、ビジネスや学習、ゲーム、買い物などでの利用が期待されている。