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毎日新聞 2022/1/8 09:55(最終更新 1/8 09:56) 782文字




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ゲリラ炊飯の全国行脚に向け意気込むONESLASHの清水広行代表(中央)ら=滋賀県長浜市役所で2021年12月24日午後0時43分、長谷川隆広撮影

 街中やイベント会場に突然現れて、まきと羽釜で米を炊く。そしておにぎりをふるまう――。米の魅力をPRする「ゲリラ炊飯」と呼ばれるパフォーマンスを全国で行おうと、農家が多い長浜市西浅井町を拠点とするグループ「ONESLASH(ワンスラッシュ)」がクラウドファンディング(CF)で資金集めに挑戦している。【長谷川隆広】

全国行脚へCF開始
 ONESLASHはいずれも兼業農家の30代男性6人で構成。地元出身のリーダー清水広行さん(35)が「集落の祭りに活気がなくなり、危機感を持った」と、廃れていく地域農業の再興を図るため2016年に結成した。祭りやマルシェなどさまざまなイベントを仕掛けてきた。



 「RICE IS COMEDY(米作りは喜劇だ)」をコンセプトに、「米離れ」「きつい」「後継難」など米作りへのネガティブなイメージを変えようと始めたのが「ゲリラ炊飯」だ。18年から県内を中心に実施し、手ごたえは十分。炊飯時にモクモクと上がる煙に、炊き立てご飯のおにぎり。特に子どもが喜び、家に帰ってもご飯をよく食べるようになるという。地元農家から「勇気をもらった」との声も届く。

 今回は「ゲリラ炊飯」をより広く行うため、改装したマイクロバスで全国行脚する予定だ。各地の生産者や加工者と一緒にゲリラ炊飯を行い、交流を深める。



 1回のイベントでふるまうおにぎりは約300個。多い時では600個にもなる。人件費や交通費などを含めた約10万円の経費はグループで担うが、イベントで米を販売し、経費を補う。

 メンバーと一緒に米作りなどの活動をする中筋雅也さん(41)は「日本全国を回っていろんな問題を聞き、解決したい。農家にエールを与えられる活動だと思っている」と意気込む。



 CFは2月20日まで。目標金額は300万円。マイクロバス購入費150万円、改装費100万円などに充てる。