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[ 2022年1月10日 05:30 ]

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緊急性の高い症状
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 新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が9日、沖縄・広島・山口の3県で適用された(31日まで)。年明けからの急激な感染拡大で再び生活に制限がかかる事態となり、第6波突入の感がより鮮明となった。

 変異株「オミクロン株」への対応も転換を迫られている。これまで感染者は「全員入院」としてきたが、厚生労働省は5日、自宅療養を認める方針を発表。9日までに少なくとも24都道府県が方針を切り替えた。東京都の小池百合子知事は7日、「入院、宿泊、自宅療養のいずれの人にも都として万全の体制を整えていく」と表明。病床の逼迫(ひっぱく)を避けるためで、今後はオミクロン株に感染しても、自宅療養が増える恐れがある。

 強い感染力を持つ一方で、国内ではほとんどが軽症者・無症状者とみられるオミクロン株。都内では7日までの感染者115人のうち、中等症や重症になった人はいない。無症状が21%、軽症が79%だった。いち早く感染が広がった沖縄でも無症状と軽症が9割以上を占めた。だが、中等症や重症になるリスクはゼロではない。海外では死亡例もある。国は自宅療養の際には、治療薬の投与や健康観察などができる体制を確保するとしているが、容体急変には要注意だ。

 「コロナ対策に携わる医療や公衆衛生の専門家でつくる有志の会」は、昨年8月に自宅療養中に注意すべきポイントをまとめたが、オミクロン株に対しても有効という。療養中に救急車を呼ぶ目安となる「緊急性の高い症状」として13項目を挙げ、患者自身には「唇が紫になっている」など9項目をリストアップ。家族や同居者に対しては「返事がなく、もうろうとしている」など4項目を挙げた。

 医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は「唇の変色は危険な状態。呼吸数の増加や、少し動くだけで息苦しかったり、座らないと息苦しいなら医療機関に連絡したい」と話す。症状の悪化を感じた際は「かかりつけ医に連絡できる人は、それがいい。だが休日や夜間に誰もが連絡できるとは限らない」と指摘。発熱相談センターや、自治体によっては救急安心センター(♯7119番)もあり、緊急なら救急車を直接呼ぶべきとした。「今後、医療が逼迫していけば分からないが、当面は大丈夫だろう。連絡先は把握しておいた方がいい」と呼び掛けた。