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毎日新聞 2022/1/10 14:00(最終更新 1/10 14:00) 587文字




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ウクライナとの国境近くで演習に参加したロシアの戦車=ロシア南部ロストフ州で2021年12月、AP

 米露両政府は10日、スイス・ジュネーブで「戦略的安定性に関する対話」を開催する。ロシア軍による国境周辺への大規模部隊集結で緊張が高まっているウクライナ情勢を中心に協議。戦略的安定対話をはじめとして、米欧は今週にロシアと協議を重ねて緊張緩和を図るが、交渉の先行きは不透明だ。

 対話には、米側からシャーマン国務副長官が、ロシア側からはリャプコフ外務次官が出席。米国務省によると、双方は9日夜にワーキングディナーに臨み、10日の議題について調整した。シャーマン氏は、主権、領土保全、同盟国の選択の自由という国際原則を支持する米国の決意を強調したという。



 米政府高官は8日の電話記者会見で、事態沈静化のために米欧の東欧での軍事演習やミサイル配備の制限について、ロシア側が「同様の約束」をするのなら交渉や合意が可能との見方を示した。一方で、ロシアが求める北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大の保証に関しては「決して合意できない」としている。

 今後、12日にはNATOとロシアの会議、13日には米露や欧州諸国が加盟する全欧安保協力機構(OSCE)の会合も予定されている。ブリンケン米国務長官は9日、米CNNテレビのインタビューで「今週に事態の打開があるとは思わない。議題をテーブルの上に置き、ロシアも我々もそれを見極めることになるだろう」と慎重姿勢を示した。【ワシントン鈴木一生】