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毎日新聞 2022/1/10 17:16(最終更新 1/10 17:16) 643文字




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皇居・宮殿=東京都千代田区で、本社ヘリから幾島健太郎撮影

 政府は、今後の皇室のあり方に関する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の最終答申を受け、12日に政府としての検討結果を国会に報告する。岸田文雄首相が衆参両院の正副議長と会談し、内容を伝える見通しだ。18日に松野博一官房長官が各党・会派の代表者に結果を説明する場を設けることも調整している。複数の政府・与党関係者が明らかにした。

 有識者会議は2021年12月、減少する皇族数の確保策として、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、戦後に皇籍を離脱した旧宮家の男系男子が養子縁組して皇籍に復帰する案の2案を軸とする最終答申を取りまとめた。首相は「(有識者会議の)議論の結果を尊重したい」と述べており、政府としての検討結果は最終答申に沿った内容になるとみられる。

 皇室を巡る議論は政府から国会に移るが、実質的な論議が始まる時期は不透明だ。有識者会議が安定的な皇位継承の具体策について「機が熟していない」などとして議論を先送りしたことを立憲民主党などは批判しており、皇族数確保策の制度化に向けた与野党の協議も難航が予想される。

 政府・与党内には「政争の具にせず静かな環境で議論することが重要」として、夏の参院選以降の意見集約を目指すべきだとの意見が広がっている。

 上皇さまの天皇退位を実現した2017年6月の皇室典範特例法成立時、国会は付帯決議で政府に対し、安定的な皇位継承や女性宮家創設についての検討を求めた。有識者会議はこの決議を受けて21年3月に発足し議論をしてきた。【遠藤修平、田中裕之】