https://mainichi.jp/articles/20220114/k00/00m/040/318000c

毎日新聞 2022/1/14 19:31(最終更新 1/14 19:51) 557文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/01/14/20220114k0000m040321000p/9.jpg
放火殺人事件が起きたクリニックが入る雑居ビル。内部では現場検証が行われた=大阪市北区で2021年12月18日午前10時53分、本社ヘリから加古信志撮影

 大阪市北区の雑居ビルに入る心療内科クリニックで西沢弘太郎院長(49)ら男女25人が犠牲になった放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)=死亡=が事件半年前の2021年6月から、自身のスマートフォンに詳細な計画やクリニックの下見メモを記録していたことが大阪府警への取材で判明した。

 谷本容疑者はスマートフォンで多数の犠牲者が出た国内外の放火殺人事件や大量殺傷事件に関する研究論文を検索し、「死ぬ時くらい注目されたい」「日本史上最悪の凶悪事件ではどんな事件がありますか?」と入力していたことも明らかになった。大阪府警は谷本容疑者が同種事件などの資料を収集し、計画の参考にしていたとみている。




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/01/14/20220114k0000m040322000p/8.jpg
放火殺人事件が起きた雑居ビル方面に自転車で向かう谷本盛雄容疑者とみられる男性。防犯カメラの一つに記録され、荷台にはガソリン入りの紙袋とみられる荷物を積んでいた=大阪市内で2021年12月17日午前9時50分ごろ(飲食店提供)

 府警によると、スマホの検索履歴を解析したところ、36人が死亡した2019年の「京都アニメーション」放火殺人事件や、03年に韓国・大邱(テグ)市で192人が亡くなった地下鉄放火事件を調べた形跡があった。

 京アニ事件はガソリンが悪用された点で今回と共通し、谷本容疑者が直前まで滞在していた大阪市西淀川区の民家からは京アニ事件を報じる新聞紙面も押収されている。



 また、大学教授や警察の科学捜査研究所に所属する研究員が、過去の放火殺人事件の特徴や犯人像を分析した論文も検索され、スマホにファイルが保存されていた。【郡悠介、安元久美子】