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[ 2022年1月18日 05:30 ]

 医師免許がないのに「がんリスクが高い」と虚偽の診断書を示し、40代夫婦から治療費名目で計約240万円を詐取したとして、警視庁生活環境課は17日までに、詐欺の疑いで横浜市神奈川区の雑貨販売会社役員田中利典容疑者(51)=医師法違反罪で起訴=を再逮捕した。

 同課によると、田中容疑者は2019年5月以降、外国の医師免許があるとうそをつき、十数人から治療費と称し計約4000万円をだまし取ったとみられる。田中容疑者が勤める会社の代表取締役の30代女=医師法違反罪で起訴=が「いい医者がいる」と知人らに紹介していた。

 田中容疑者は自宅などに訪れた人に対し、DNA型鑑定の結果を基に「3年以内にがんを含めた病気が発生してしまう可能性が高い状態だ」などと虚偽診断し、改善のためと言って何らかの液体を注射していたとされる。吐き気や下痢の症状を訴える人もいたという。

 再逮捕容疑は19年7月ごろ、夫婦から治療費名目で代金を詐取した疑い。田中容疑者は「魔が差して金をだまし取る計画を立てた。食塩水を注射した」と供述している。

 20年11月に10代女性と50代母親から「無資格の人が注射をしている」と警視庁に相談があった。田中容疑者と女は21年11月以降、医師免許なく診断や注射をしたとして医師法違反の疑いで逮捕され、同罪で起訴された。