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毎日新聞 2022/1/18 19:34(最終更新 1/18 20:13) 625文字




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長崎市の諏訪神社=長崎市で2021年12月21日午後4時6分、中山敦貴撮影

 セクシュアルハラスメントにより精神的苦痛を受けたとして、諏訪神社(長崎市)の70代の男性宮司に対し、長崎市の20代女性が18日、慰謝料1万円の支払いを求め長崎地裁に提訴した。

 訴状によると、宮司は2016年〜21年に女性に対し、太ももなどを触ったり「俺の愛人になれ」などと発言。21年8月には宮司室で女性の手を引っ張って顔を近付け、キスを求めたとしている。



 また、女性が宮司の部下に当たる祢宜(ねぎ)に抗議文を提出し、セクハラ被害を打ち明けたところ、女性の両親宛てに宮司の代理人弁護士から書面が届き、抗議文を出した理由を明らかにするよう求められた。

 書面には刑法の名誉毀損(きそん)罪の条文も示されており、女性は「激しく動揺し傷つき、勇気を振り絞って被害を訴えたことが誤っていたのではないかと思うまでに至った」と主張した。



 宮司は、セクハラ疑惑について「真実ではない。身の潔白を主張し、宮司職に励む」とする文書を公開し、真っ向から反論している。

 一方、祢宜の部下に当たる権(ごん)祢宜7人は21年12月、パワーハラスメントにより精神的苦痛を受けたなどとして祢宜2人を相手取り、慰謝料など計880万円の支払いを求め長崎地裁に提訴している。18日にあった第1回口頭弁論で、祢宜側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。



 権祢宜らは、セクハラ疑惑で辞任を求められている宮司の留任を県神社庁に嘆願した際、祢宜に「許さん」と威圧されたなどと訴えている。【中山敦貴】