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毎日新聞 2022/1/19 14:00(最終更新 1/19 14:00) 有料記事 1504文字




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ファクトチェック「誤り」

 15日に発生した南太平洋・トンガ沖の海底火山噴火に関連し、男女が濁流に流される動画に「トンガの津波」という説明がつけられ、ツイッターで拡散している。しかし、この動画はインドネシアのユーチューバーが2021年12月に撮影した映像で、トンガの津波とは無関係だった。動画の説明は誤りだ。(ファクトチェックの判定基準)【木許はるみ/デジタル報道センター】

トンガの津波として160万回超再生
 この動画は噴火が発生した15日からツイッターで出回った。主に男女3人が登場し、うち男女2人は「自撮り棒」(スマートフォンを固定する棒)を手にして波を待ち構え、濁流に流されて陸上まで打ち上げられる様子を記録している。拡散した動画は3種類あり、一つは3人を離れた場所から撮影した動画、残りの二つは2人それぞれが自撮りをした映像。この三つの動画を並べて編集したものが、16日に<大丈夫か?! #津波 #トンガ>(のちに訂正のツイートをリツイート)とのつぶやきなどがついて拡散され、約80万回再生されている。ほかにもこれらの動画が<トンガ地震 噴火 津波><#トンガ津波>とのつぶやきとともに拡散。日本語以外でも投稿が相次ぎ、15日の英語による投稿は、約161万回再生されている。ツイッターのほか、ユーチューブの複数のチャンネルでも、この動画がトンガの津波を撮影した動画のようにアップされている。

検索サイトで画像の出典を確認
 トンガは大規模噴火以降、通信がほぼ遮断されていると報じられている。にもかかわらず、自撮り棒から撮影した津波の映像が届くだろうか。動画に登場する男女2人もライフジャケットを着て、波を楽しんでいるように見える。不自然に思い、動画の一コマを画像検索サイト「Yandex」で調べた。

 すると、自撮り棒を持っていた女性の画像が見つかった。画像の出典は、インドネシアのニュースサイト「Tribun Timur」のユーチューブ。21年12月14日の動画ニュースで、この女性が波に巻き込まれる映像が会員制交流サイト(SNS)で話題になっていると伝えて…

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