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毎日新聞 2022/1/19 21:56(最終更新 1/19 22:21) 554文字




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NHK放送センター=東京都渋谷区で

 NHKは19日、BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、問題になっている不確かな字幕に対し、放送前に局内で事実関係を確認するよう指摘が出たのに、担当者が五輪反対デモに参加したとされる男性に直接確認を怠っていたことを明らかにした。

 問題となっているのは、河瀬さんから依頼を受けた映画監督の島田角栄さんが競技場外で出会った男性にインタビューする場面。取材に同行したディレクターは「デモで金銭を受け取ったことがある」「今後、五輪反対デモにも参加しようと考えている」という男性の話を基に、「五輪反対デモに参加している」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕を付けた。



 NHKによると、ディレクターは局内の試写で上司のプロデューサーから事実関係を確認するよう指示を受けたものの、島田さんに確認しただけで男性には直接確認しないまま、上司に「確認した」と報告したという。

 正籬(まさがき)聡放送総局長はこの日の会見で「ジャーナリストの基本中の基本である事実の確認がおろそかだった。本当に申し訳ない」と謝罪。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が審議の対象にするかどうか検討するため文書で制作過程の報告などを求めていることについて「真摯(しんし)に対応する」と述べた。【稲垣衆史】