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毎日新聞 2022/1/23 17:00(最終更新 1/23 17:00) 有料記事 1445文字




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米司法当局による真相解明が続く米連邦議会襲撃事件。背景にはさまざまな陰謀論があった=ワシントンで2021年1月6日、AP

米シカゴ大、エリック・オリバー教授(政治学)に聞く
 根拠のない「陰謀論」が飛び交い、基本的な事実についても国民の意見を集約するのが難しくなった米国。陰謀論を研究してきた米シカゴ大のエリック・オリバー教授(政治学)に社会の分断の現状と、その解消方法について尋ねた。

 米国では建国期から陰謀論が存在した。なぜ今、これほど広まっているのか。それは、情報技術が発達したからだ。印刷が始まった当時は、陰謀論も紙で出回るだけだった。しかし、インターネットが普及し、ソーシャルメディアが広まったことで「情報源の民主化」が起きた。そして、必ずしも事実ではない情報が拡散されるようになった。

 こうした情報は拡散されればされるほど、正当性を持つ。おかしな話でも、自分の知っている人たちが信じていると、もっともらしく思えてしまうためだ。多くの人が長時間、インターネットに接続している状態にあり、パソコンの画面に映るものが現実であると感じることも要因だろう。

 人が陰謀論を信じる理由を解明しようと聞き取り調査を続けた結果、陰謀論を信じることと、超自然現…

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