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2022/1/24 21:46


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和歌山県有田市のENEOS和歌山製油所(中央)

石油元売り最大手のENEOS(エネオス)が、和歌山製油所(和歌山県有田市)の機能を停止する方針を固めたことが24日、明らかになった。機能停止は令和5年中となる見通し。ガソリンなど石油製品の国内需要がじわじわと減少していく中、一段の構造改革が避けられないと判断した。

25日にも取締役会で決定した上で発表する見通し。

和歌山製油所は、エネオスの前身の一つである旧東燃ゼネラル石油系の拠点。昭和16年に当時の東亜燃料工業の和歌山工場として操業を開始し、80年以上の歴史を持つ。原油処理能力は日量12万7500バレル。製油所としての機能を停止した後、敷地は新たな用途での活用を探るとみられる。

石油製品の国内需要は人口減やエコカーの普及を背景に年率数%減っていく見込み。エネオスはこれまでも国内の製油所・製造所網の統廃合を進めてきた。

室蘭製造所(北海道室蘭市)の生産を停止し物流拠点に転換したほか、大阪製油所(大阪府高石市)の石油精製機能を停止。さらに石油化学製品などを手掛けていた知多事業所(愛知県知多市)の製造設備についても同業の出光興産に今年10月をめどに譲渡することを既に決定している。

脱炭素の国際的な潮流を背景に、化石燃料である石油への逆風が一段と強まる公算が大きい。エネオスは石油製品の需要動向を見極めた上で、製油所・製造所網体制の再構築を引き続き検討していく見通しだ。地元関係者は「地元にとっては雇用や税収の面で大きな痛手になる」と話した。