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毎日新聞 2022/1/26 06:30(最終更新 1/26 06:30) 有料記事 3210文字




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控訴審判決を受けて、記者会見で話す伊藤詩織さん=東京都千代田区で2022年1月25日午後6時29分、宮武祐希撮影

 1審に続き、司法は同意なき性行為の被害を認めた――。ジャーナリストの伊藤詩織さん(32)が性的暴行を受けたとして、元TBS記者の山口敬之氏(55)に損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁(中山孝雄裁判長)は25日、訴訟の最大の争点だった性行為の同意の有無について、「同意はなかった」と認定した。高裁はどのように結論を導いたのか。判決内容と、被害からおよそ7年に及んだ伊藤さんの闘いの意義を詳報する。【塩田彩、宇多川はるか、藤沢美由紀/デジタル報道センター】

 判決は25日午後3時開廷の法廷で言い渡された。紺色のジャケット姿の伊藤さんと、グレーのスーツ姿の山口氏は表情を変えず、手元でメモをとりながら、裁判長による主文と判決理由の朗読に耳を傾けた。

 伊藤さんは2017年、山口氏から性被害を受けたとして実名と顔を明かして告発。同年、山口氏を相手取り、東京地裁に提訴した。地裁は19年12月、伊藤さんの訴えをおおむね認め、山口氏に330万円の損害賠償を命じる判決を下した。山口氏は刑事事件では不起訴処分になったため、伊藤さんは提訴に踏み切ったのだった。

 高裁判決によると、伊藤さんは15年4月、…

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