https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/01/29/kiji/20220128s00042000632000c.html
[ 2022年1月29日 05:30 ]

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相川鶴子金銀山遺跡の「道遊の割戸(どうゆうのわりと)」
Photo By 共同

 岸田文雄首相は28日、「佐渡島の金山」(新潟)の世界文化遺産登録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦すると表明した。歴史問題を巡る韓国の反発を受け、見送りを検討していたが、地元自治体だけでなく自民党保守派からも突き上げられ方針転換した。推薦書のユネスコへの提出期限となる2月1日に推薦を閣議了解、2023年登録を目指す。通例であれば、ユネスコ諮問機関が秋ごろに現地調査し、23年5月ごろに登録の是非を勧告。夏ごろの世界遺産委員会で審査を受ける。ただユネスコから韓国との2国間協議を促され、審査を棚上げされる可能性がある。

 首相の翻意を決定付けたのは安倍晋三元首相からの“直電”。26日夜「推薦した方がいい」と迫られた。首相の心は揺れ、翌27日夜、知人に「眠れないことがある。悩んでいる」と明かした。最終的に、保守層の離反を招けば参院選に影響しかねないとの警戒感が首相を動かした。

 首相は記者団に「本日決めた。(方針)転換したという指摘は当たらない」と言及。安倍氏は「首相は冷静に正しい判断をされた。今後ともできる限り協力する」とのコメントを発表した。