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毎日新聞 2022/2/1 20:28(最終更新 2/1 20:29) 480文字




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熊本県産アサリの出荷停止などについて発表する蒲島郁夫知事=熊本県庁で2022年2月1日午後4時4分、吉川雄策撮影

 熊本県の蒲島郁夫知事は1日、記者会見し、県内の漁業者が8日から2カ月程度、県産アサリの出荷を停止すると発表した。「熊本県産と偽ったアサリが売られている」とする報道を受け、1月31日、県漁連に要請していた。蒲島知事は「熊本ブランドの信頼を揺るがす危機的状況だ。偽装根絶に取り組む」と述べた。県は刑事告発も検討する。

 県産アサリの出荷停止は本物の流通をいったん止め、市場の偽装アサリをあぶり出す狙いがある。全国の都道府県や水産業者、小売店の業界団体にも「熊本県産をうたうアサリがあったら連絡を」と呼びかける。



 アサリは生育期間が最も長い場所を原産地表示することになっており、海外から仕入れたアサリを熊本県内で育てて「熊本産」とするのは問題ない。しかし、今回のケースについて県は「輸入アサリが県内で生育されることなく『熊本産』と偽られている」とみる。

 「これは犯罪だ。産地偽装が我々の想像を絶するところまで来た」と蒲島知事。県漁連の藤森隆美会長は「県には長年、トレーサビリティー(生産流通履歴)の必要性を訴えてきた。漁業者にとって死活問題だ」と語った。【吉川雄策】