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[ 2022年2月5日 05:30 ]

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話をするバッハ会長(撮影・小海途 良幹)
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 4日に中国・国家体育場(通称「鳥の巣」)で行われた北京五輪の開会式では、国際オリンピック委員会(IOC)の「ぼったくり男爵」ことバッハ会長の挙動が注目をさらった。昨年の東京五輪開会式では13分を超えるスピーチでひんしゅくを買ったが、この日は氷点下4度と極寒の中、10分近く演説。会長のドヤ顔とは対照的に、背後に立つ旗手の顔は凍り付いた。

 まず視線が集まったのは、開会式に現れたバッハ会長の寒さに似つかわしくない薄着。スーツと白いシャツ、ネクタイと、見ている方が震えそうな格好。紺のダウンジャケットを着た習近平国家主席とは対照的だった。

 それを見てネット上はある期待で盛り上がった。「あの格好では寒くて、すぐ話し終わるのでは」。東京五輪開会式では世界をウンザリさせただけに期待は高まったが、いざスピーチに臨むバッハ会長は、分厚い青のコート姿。ネット上に失望の声が広がった。

 最初は淡々と話しだしたバッハ会長だが歓声が起きるにつれ、テンションが上がったのか、トーンは加速していった。ツイッター上では、スマートフォンや時計のタイマーで、あいさつの長さを計った画像をアップする投稿が続出。本紙の計測では9分50秒台。東京五輪から3分縮めてみせた。

 しかし、氷点下4度の会場で聞く者にとって、体感時間はもっと長く感じたのか、バッハ会長の後ろに立っていた笑顔の旗手の表情も徐々に凍り付いていった。新型コロナウイルスの感染対策で、開会式は当初1時間40分と短く済ませる予定だったが、結局40分オーバー。バッハ会長だけのせいではないが「話が長い」という意見が殺到した。

 一方で絶賛されたのが、世界的映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏(71)が総監督を務めた演出。LEDスクリーンや24本のレーザー光線など、最先端の映像技術を駆使。鮮やかな映像美で見る者を引き込んだ。

 「二つとして同じ雪片はないが、それらが集まって美しい冬をつくる」というコンセプトのもと、参加した91の国・地域の選手は雪の結晶をかたどったプラカードに導かれ入場。その後、全てのプラカードが一つとなって巨大な雪の結晶を形成。「世界の結束」を表現した。