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2022年02月09日11時33分

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ワニの首にはまったタイヤ、ついに外れる インドネシア



【パルAFP=時事】インドネシアで、ワニの首に5年以上もはまったままになっていたオートバイのタイヤがついに外された。地元当局や住民が8日、明らかにした。タイヤから解放されたワニは、すっかり自由になって野生に返ったという。(写真はインドネシア・パルで行われた、ワニの首にはまっていたタイヤを外す作業)
 中スラウェシ州の州都パルの住民が2016年、首にタイヤが巻きついた体長5.2メートルのこのワニを発見して以来、自然保護団体がタイヤの除去を目指し、ワニを川からおびき出す取り組みを続けてきた。
 このワニは、パルを流れる川で日光浴をしている姿がよく目撃されていたが、7日夜になって地元住民が、きつく締め付けていたタイヤからワニを解放した。
 鳥類販売業を営むティリさん(34)は3週間に及んだ救出活動の末、ワニを鶏肉でおびき寄せてロープで捕獲。数十人の地元住民の協力を得てワニを岸に引きずり上げ、首にはまっていたタイヤを切断した。
 ティリさんはAFPの取材に対し、「ただ助けたかった。動物が身動きを制限され苦しんでいるのを見るのは嫌だから」と語った。
 自然保護団体はこのタイヤについて、ワニをペットとして捕獲しようとした何者かが、ワニの首に故意にはめたのではないかとみている。
 ワニをめぐっては、地元自治体が2020年に、捕獲しタイヤを除去できれば懸賞金を出すと約束して話題になった。しかしその後、ワニの安全を脅かす恐れがあるとして、懸賞は取り下げられていた。
 だが地元の自然保護局によると、大胆な作戦でワニを救ったティリさんにはやはり賞が与えられる予定だという。同保護局の局長は、「野生動物を救出した功績をたたえ、ティリさんを表彰する」と発表した。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕