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毎日新聞 2022/2/9 19:42(最終更新 2/9 19:57) 645文字




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岸田文雄首相

 岸田文雄首相は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を加速させるため、堀内詔子ワクチン担当相の直轄チームの増強に乗り出した。河野太郎前担当相を支えた官僚らをチームに呼び戻し、自治体への配送調整や国民への情報発信を担わせる。昨年10月の政権発足後、厚生労働省を中心とする体制を組んできたが、内閣官房の体制を再増強し、接種の遅れ挽回を狙う。

 堀内氏は9日、内閣府の大臣室で厚労、総務両省などの副大臣、政務官6人に「接種券の早期送付やモデルナ社製ワクチンの接種控えなど、明らかになった課題もある。一つ一つ解決することで1日100万回(接種)の達成が見えてくる」と指摘。関係省庁を挙げ、首相が掲げた「1日100万回」目標に取り組む方針を確認した。



 菅前政権は内閣官房の河野氏と厚労省がワクチン行政の司令塔を担ったが、岸田政権は発足以降、厚労省に機能を集約してきた。1〜2回目の接種が軌道に乗っていたこともあり、河野氏時代に約20人いた内閣官房のワクチンチームは一時、10人超に縮小。河野氏は今月5日、自身のツイッターで「私の時と比べて人数が激減」「私だって仕事できないよ」と批判した。

 しかし3回目接種の遅れに批判が高まる中、首相は方針を転換。内閣府の地下に移っていたワクチンチームの事務室を、堀内氏の大臣室と同じフロアに移す。人員も順次増やし、現在は約20人に戻った。チーム関係者は「自治体や医療関係者らに3回目接種の意義を説明する機会を増やせる。国民向けの発信にも取り組める」と話す。【李舜】