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毎日新聞 2022/2/9 21:02(最終更新 2/9 22:02) 有料記事 2316文字




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会談に臨むエマニュエル米駐日大使(左)と萩生田光一経産相=2022年2月9日午後4時5分、高橋祐貴撮影

 政府は米欧の要請を受けて、国内供給のほぼ全量を輸入に頼る液化天然ガス(LNG)の一部を欧州へ融通するという異例の対応に踏み切ることにした。緊迫するウクライナ情勢次第では、ロシアから欧州への天然ガス供給が滞る懸念があり、先進国間の協調を優先した形だ。

 「価値観をともにする国との連携は今後も必要になる。大きな数字(量)ではないかもしれないが、日本としては精いっぱいの貢献ということ」。米国と欧州連合(EU)の駐日大使と会談後、萩生田光一経済産業相はLNG融通の意義を強調した。

 EUはロシアと対立する一方で、主要物資である天然ガスで全輸入量のうち46%(2021年上半期)をロシアに頼っている。ロシアから欧州への天然ガス供給ルートには、ウクライナ経由やベラルーシ経由などのパイプラインや、ウクライナを迂回(うかい)し、バルト海底経由でドイツに輸送するパイプライン「ノルド・ストリーム」などがある。並行する「ノルド・ストリーム2(NS2)」も21年に完工したが、稼働に向けた独側の認可手続きが滞っている。

 米国はロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、NS2を制裁対象にする方針を示している。制裁によってNS2の稼働が凍結されれば、エネルギー…

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