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毎日新聞 2022/2/11 20:46(最終更新 2/11 20:46) 有料記事 2113文字




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記者会見する(左から)ブリンケン米国務長官、ペイン豪外相、ジャイシャンカル印外相、林芳正外相=オーストラリア南東部メルボルンで2022年2月11日、AP

 日米豪印4カ国の外相は11日の会合で「自由で開かれたインド太平洋」を推進するため連携を強化することを確認した。念頭にあるのは、威圧的な海洋進出などを強める中国だ。米国は、ロシア軍の大規模集結で緊迫するウクライナ情勢への対応が将来的な中国への抑止策にもつながると位置づけ、4カ国の枠組みを含めた同志国の結束強化に躍起となっている。

米国、対中連絡網強化狙う
「ロシアによるウクライナへの脅迫と、ロシアの危険な行動を複数の国が支持していることは、国際規範が挑戦を受けていることを示す事例だ」

 ブリンケン米国務長官は会議の冒頭、ウクライナ国境に大規模な部隊を集結させているロシアと、ロシアとの連携を強める中国を強くけん制した。

 会議は「ロシアによるウクライナへの敵対行為に24時間体制で対応している」(ブリンケン氏)状況下で開かれた。ブリンケン氏は豪州滞在中もフランスのルドリアン外相らと電話で協議したほどで、日豪印ともロシア抑止に向けて共に発信したい思惑があった。

 終了後の共同記者会見で、ブリンケン氏は「クアッドは国際規範を守ることがいかに重要であるかを理解している民主主義国だ」と語った。伝統的にロシアと関係が深いインドとは温度差を抱えながらも、国際規範を脅かす行為には足並みをそろえて対応する構えを強調した。

 一方、米国が中長期的に最も警戒するのは「唯一の戦略的競争相…

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