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毎日新聞 2022/2/13 13:31(最終更新 2/13 13:31) 718文字




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林芳正外相

 米ハワイを訪問中の林芳正外相は12日(日本時間13日)、韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相と約40分間会談した。「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録や、元徴用工、元慰安婦問題については双方が従来の主張を繰り返し、議論は平行線をたどった。弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮への対応では日韓、日米韓の協力の重要性を改めて確認した。

 林氏は、世界文化遺産登録に向け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ推薦した佐渡島の金山を巡り、朝鮮半島出身者が強制労働させられたとする韓国側の主張は「受け入れられず遺憾だ」と改めて抗議した。そのうえで「文化遺産としての価値がユネスコに評価されるよう、冷静かつ丁寧な議論を行う」と伝えた。



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鄭義溶氏=青瓦台提供

 鄭氏は、佐渡島の金山登録推薦に強い遺憾の意を示し、改めて日本側に抗議。2015年に「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された際、日本側が徴用を含む遺産の全体像を説明する施設の設置を表明したことに関して、鄭氏は「日本自ら約束した措置を忠実に履行すべきだ」と求めた。韓国側は施設の展示内容について、元徴用工に関する説明が不十分だと反発している。

 元徴用工、元慰安婦問題については、林氏は「韓国国内の動きにより日韓関係は引き続き非常に厳しい状況にある。韓国側が責任を持って対応する必要がある」と要請。鄭氏は「正しい歴史認識が未来志向の韓日関係の発展の根幹だ」と強調したうえで「被害者が受け入れられる解決策を模索する」として、協議を推進する意向を示した。



 一方、両外相は日韓関係を健全な関係に戻すため、外交当局間の協議や意思疎通を加速していくことで一致した。両外相の対面での会談は初めて。【佐藤慶、ソウル渋江千春】