https://www.sankei.com/article/20220214-DOXN57H4SNNSHI3N3N3UTP3DU4/
2022/2/14 21:41


https://www.sankei.com/resizer/5kx8AZB8dsu0wb1RZvEKcSHzxOI=/1200x0/smart/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/KCT4SOORYVJURIAKPY4D7E5Q2U.jpg
野党国対代理会議を終え記者団の取材に応じる立憲民主党の奥野総一郎国対委員長代理=14日午後、国会内(矢島康弘撮影)

立憲民主党は14日、日本維新の会や国民民主党など、共産党を除く野党の枠組みで国対委員長代理級の会合を開いた。国会対応などをめぐり立民への不満が強まる中、さらなる孤立化を避けられるかが焦点となる。一方、立民はこれに先立ち、維新などが距離を置く共産とも個別に協議の場を設けた。夏の参院選での共闘を模索する政党への心遣いとみられるが、「蚊帳の外」に置かれた形の共産は反発を強めている。

国対委員長代理級の会合には、立民、維新、国民民主に加え、意見交換の場を求めた無所属議員による会派「有志の会」が参加した。与党ペースで進む令和4年度予算案の審議をめぐっては「21日の衆院採決は早い」との認識で一致。調整役を務めた立民の奥野総一郎国対委員長代理は終了後、会合の趣旨について「野党第一党として各党に情報を伝え、要望をうかがう」と記者団に説明した。

これまで、維新を除く立民や共産などの主要野党は、国対委員長会談(野国)を調整の場としてきた。しかし、先の衆院選後に国民民主が不参加を表明。共産との関係を「白紙にする」と主張する立民の泉健太代表が就任した影響もあり、現在は定例の開催が見送られている。

一方、今国会では立民に対し、衆院憲法審査会の開催に後ろ向きな姿勢などを理由に、他党から「与党との交渉役を任せられない」(維新幹部)と不満の声が強まっている。

立民幹部は「政府への『審議拒否』のカードを切ろうにも維新や国民民主の同調が得られなければ、立民がサボっているだけだとみられて効果がなくなる」と漏らし、国対幹部間で足並みをそろえる必要性に言及する。非公式な意見交換の場とはいえ、立民が野党第一党としての信頼を勝ち取れるかが焦点となる。

共産を招かなかった理由について、立民関係者は「ある党から『共産と一緒なのはちょっと…』と難色が示された」と明かす。

ただ、外された側の心中は穏やかではない。奥野氏は共産の国対幹部とも個別に会談する配慮を見せたが、野国の復活を提案してきた共産の小池晃書記局長は14日の記者会見で、「共産を外し(改憲勢力の)維新を野党として扱えば、野党の立場が根本から問われる」と強調した。

共産幹部も「露骨な共産外しとみられても仕方がない動きだ。看過できない」と不満を隠さない。立民の全方位外交が奏功するかは不透明だ。(沢田大典)