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毎日新聞 2022/2/17 11:56(最終更新 2/17 11:56) 609文字




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米国のブリンケン国務長官=米ホノルルで2022年2月13日、AP

 ブリンケン米国務長官は16日、複数の米テレビ番組のインタビューで、ロシアが発表したウクライナ国境周辺からの一部軍部隊の撤収について「ロシアは逆に国境に部隊を集結させている」と述べ、軍備増強が続いているとの認識を示した。そのうえで、ロシアのプーチン大統領が「今日でも明日でも(侵攻の)引き金を引くことができる」状況にあるとして危機感をあらわにし、緊張状態が継続していると強調した。

 ブリンケン氏はロシアの発表について「言行が不一致だ」と指摘した。「侵攻の先陣を切るような部隊が引き続き集まっている」と説明し、軍部隊の撤収はまだ見られず、部隊が国境から離れるのを確認する必要があると語った。バイデン大統領は15日の演説で国境付近のロシア軍が15万人以上に膨れ上がっていると明らかにしている。



 ロシアは、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナなど旧ソ連諸国に拡大しないことの保証を欧米側に求めている。ブリンケン氏はインタビューで「NATOには門戸開放の方針がある」と述べ、ロシアの要求を拒否する意向を改めて強調。プーチン氏が脅威と捉えるNATOが「ウクライナ情勢によって、これまでにないほど結束している」とけん制した。

 米政府高官によると、ロシアは16日までの過去数日間で国境周辺に約7000人を増強しているという。高官は「ロシアの発表は大きな注目を集めたが、虚偽だったことが分かった」と説明した。【ワシントン鈴木一生】