https://mainichi.jp/articles/20220218/k00/00m/030/038000c

毎日新聞 2022/2/18 09:31(最終更新 2/18 09:32) 977文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/02/08/20210208k0000m030091000p/9.jpg
トランプ前米大統領

 トランプ前米大統領が立ち上げた企業が、新たなソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」を始める計画が進んでいる。2021年1月のトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃事件後、トランプ氏は主要ソーシャルメディアのアカウントを凍結され、ネット上での発信が制約されてきた。新メディアで“復活”を狙うが、どこまで普及するかは未知数だ。

 トランプ氏は大統領退任後の21年10月、ソーシャルメディア企業「トランプ・メディア・テクノロジー・グループ」を通じて、トゥルース・ソーシャルの計画を公表した。ツイッターやフェイスブックなど大手ソーシャルメディアが「危険なまでに左傾化し、彼らの思想にそぐわない声を強制的に沈黙させるようになった」と主張し、代替メディアとして「トゥルース(真実)を届ける」としている。



 21年12月には「多様な投資家グループから10億ドル(約1150億円)を調達する」と公表。既に招待者に限定したテスト版の運用を始めており、宣伝映像に出てくるスマホの表示画面や機能はツイッターに酷似している。

 トランプ氏の長男ジュニア氏は15日、トランプ氏の「最初の投稿」とされる画像をツイッター上で公表。トランプ氏は「準備しよう! あなたの大好きな大統領にもうすぐ会える!」と投稿していた。アカウント名はツイッターで使っていたものと同じだった。



 一般向けのスマートフォンのアプリストアでは「2月21日にダウンロード開始予定」と告知されている。ただ、米FOXビジネスは「一般運用の開始は3月以降になる見通しだ」と報じている。

 トランプ氏は連邦議会襲撃事件後、ツイッターやフェイスブックのアカウントを相次いで凍結された。退任後にブログで発信した時期もあったが、1カ月程度で閉鎖。元側近らが保守系のソーシャルメディアを開設したが、トランプ氏は活用しておらず、自身を支持する政治資金管理団体(PAC)を通じて出す声明や保守系メディアへの出演が主な発信となっている。ただ、トランプ氏の支持者が発言内容をツイッターなどに転載するため、大手ソーシャルメディアでも間接的に「発信力」を維持している。



 トランプ氏は共和党支持者を中心に根強い支持があり、24年の大統領選への立候補もにおわせながら、政界での求心力を保っている。【ワシントン秋山信一】