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2022/2/20 17:39


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王毅氏(共同)

【北京=三塚聖平】中国外務省によると、王毅国務委員兼外相は19日、ドイツで開かれた「ミュンヘン安全保障会議」でオンライン演説し、ウクライナ情勢をめぐり「北大西洋条約機構(NATO)は冷戦時代の産物だ」と批判した。王氏は、NATOの拡大について「欧州の平和、安定を守るのに有益だろうか」と述べ、NATOの東方不拡大の確約を求めるロシア側に寄り添う姿勢を示した。

習近平政権はロシアと連携を強め、両国がともに対立する米国を牽制(けんせい)している。王氏は「ウクライナを大国の対立の最前線にすべきではない」とも述べ、関係国に対して対話による解決を呼び掛けた。2015年に結ばれた「ミンスク合意」の履行も求めた。

その一方で王氏は「各国の主権、独立、領土保全は尊重し、守られるべきだ。これは中国の一貫した原則的な立場で、ウクライナに対しても例外ではない」とも強調。中国は、台湾を「中国の領土の不可分の一部」だと主張しており、ロシアがウクライナに侵攻すれば台湾問題に関して中国は微妙な立場に置かれるため、ロシア側にくぎを刺した可能性がある。

また、王氏は「一部の大国が冷戦思考を復活させ、陣営の対立をつくり出し、国際的な法制度を破壊して対立と対抗を引き起こしている」との考えを示した。米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」などを念頭に、バイデン米政権が同盟国などと「対中包囲網」の形成を進めていることを暗に批判した。