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毎日新聞 2022/2/20 20:29(最終更新 2/20 21:08) 有料記事 1370文字




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開会式に臨むIOCのバッハ会長(左)と習近平国家主席(中央)=猪飼健史撮影

 北京冬季オリンピックは五輪の意義を問いかけるように課題が噴出した。競技の安全性や公平性を保てずに主役である選手を守れるのか。競技の熱気をよそに開幕前から論議を呼んだ中国の人権問題は、影に隠れた感が強い。霧は晴れぬまま、17日間の祭典は幕を閉じる。

 五輪の開幕前、欧米など各国からは、新疆ウイグル自治区や香港など中国の人権問題について厳しい声が相次いだ。だが実際に競技が始まると、話題はアスリートの活躍などに集中。負の側面を見せまいとするかのような開催国とIOCの姿勢もあり、人権を巡る批判は大きなうねりにならなかった。

 「中国という舞台は冬季五輪によって素晴らしさを増し、冬季五輪の歴史は中国によってさらに輝く」

 中国国営新華社通信は19日に配信した記事で、各国の選手らが北京での体験を称賛していると強調した。中国は競技でも過去最多となる9個の金メダルを獲得。開催国の面目を保ち、世界的イベントを成功させたとの自信をみなぎらせる。

 開会式では、人権問題を批判する米英などが政府高官を派遣しない「外交的ボイコット」に踏み切り、話題となった。だが大会中に「二の矢」が継がれることはなかった。英国の…

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