上野動物園(東京都台東区)の園内を走行し、車両の老朽化のため2019年から運行を休止しているモノレールの後継として、都が車両やレールを新調して新たなモノレールを走らせる案を検討していることが分かった。新しく敷くレールはジャイアントパンダの飼育環境に配慮してルートを選定する。(加藤健太)
 上野動物園のモノレールは1957年に誕生した日本最古のモノレールとして知られる。動物園の東園と西園の330メートルをつなぐ連絡手段として開通し、入園者の3割が利用する園の名物だった。
 これまでは車両が線路にぶら下がる「懸垂型」だったが、都はレールを敷き直し、またぐように走る「跨座こざ型」を検討している。構造が単純な跨座型は建設コストを抑える利点がある。新車両の輸送人員は従来と同じ1回最大60人を想定している。
 西園側の駅舎周辺では、モノレールの休止中に新しいパンダ舎「パンダのもり」がオープンした。現在は昨年6月に生まれた双子パンダ一家が暮らしており、飼育に影響が出ないよう駅舎の建設場所やレールを敷く位置を検討していく。
 都建設局は新たなモノレールについて「建設から運営まで全て公費で賄うのは難しい」と話し、民間事業者を募って共同で事業を進めていく考えを示した。2023年度に事業者を公募し、開業準備を本格化させる。

東京新聞 2022年2月24日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/161961