ロシア軍が全面的な侵攻を開始したウクライナでは24日夕から未明にかけても、ロシア軍とウクライナ軍との激戦が各地で続いた。ロシア軍は東部国境のほか、北隣のベラルーシからも南下。上空からも降下部隊を送り込むなどしており、首都のキエフ制圧を目指している模様だ。

 ウクライナ大統領府の発表によると、同日夕から深夜にかけて、親ロシア派支配地域と接する東部ドネツク州各地で戦闘が続いたほか、北東部ハリコフ州や東部ルガンスク州の国境からもロシア軍が戦車や装甲車で侵入して西進。ウクライナ軍との地上戦が続いている。

 内務省によると、ベラルーシ国境から侵攻し南下したロシア軍はチェルノブイリ原子力発電所を掌握した。またキエフ近郊では、首都から北東約二十数キロの空港をめぐって激しい戦闘が起きた。ウクライナ当局は一時、空港をロシア軍に制圧されたことを認めたが、その後反撃に転じ、戦闘は深夜も続いている模様だ。

 英国の調査報道機関「ベリングキャット」でロシア問題を担当するジャーナリストのクリスト・グロズネフ氏は、ウクライナ政府の情報として、ロシア西部のプスコフから大型兵員輸送機18機がキエフ方面に向かったと伝え、「ロシア軍の目的は首都の制圧と傀儡(かいらい)政権の樹立」との見方を示した。

 キエフ近郊では24日の日中もヘリコプターが着陸して銃撃戦が起きており、首都に向けロシア軍が大量の降下部隊を送り込んでいる可能性がある。

 また、ロシア軍は2014年…(以下有料版で,残り741文字)

朝日新聞 2022年2月25日 10時33分
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