政府は1日、日本銀行の新たな審議委員に、岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏と、三井住友銀行上席顧問の田村直樹氏を充てる人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に示した。岸田政権が行う初めての審議委員人事となる。安倍政権以来の大規模な金融緩和路線の修正をにじませる人事案となっている。

 両氏は、国会の同意が得られれば7月に就任する見通しで、任期は5年。

 注目されていたのは、金融緩和で景気回復をめざす「リフレ派」のエコノミストで、安倍政権時に審議委員に選ばれた片岡剛士氏の後任。片岡氏は最近の金融政策決定会合でも、緩和をさらに強化するべきだとして、今の政策に唯一、反対票を投じるなど、緩和路線の象徴的な存在だった。

 これに対し、後任候補の高田氏はみずほ総合研究所の役員などを歴任。「異次元緩和脱出」などの著書もあり、市場関係者の間では「リフレ派人事とは明らかに異なる」(大手証券エコノミスト)との声がある。

 田村氏は、三菱東京UFJ銀…(以下有料版で、残り172文字)

朝日新聞 2022/3/1 20:34
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