北京パラ開会式で「ピース!」叫んだら通訳は沈黙…ウクライナ侵攻影響か ざわつく中国のネット「なぜ訳さない」

【北京=中沢穣】中国国営中央テレビが4日夜に北京冬季パラリンピック開会式を中継した際、戦争反対と平和を訴えた国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長の演説の同時通訳を中断する場面があった。ロシアのウクライナ侵攻を非難していない習近平政権とは、異なる立場の発言だったためとみられる。
 パーソンズ氏は「今夜は平和のメッセージから始めたいし、そうしなければならない」と演説を始め、「21世紀は対話と外交の時代であり、戦争と憎しみの時代ではない」と声を張り上げた。演説の最後は「ピース(平和)!」と叫んで締めくくった。
 しかし中央テレビの同時通訳はいずれも翻訳せずにだまってしまい、手話通訳もしばらく動きを止めた。さらに演説するパーソンズ氏の音声は一時、極端に小さくなった。
 中国のネット上では演説直後から「何を話していたのか」「なぜ戦争反対の部分を訳さないのか」などといぶかる声があふれた。

東京新聞 2022年3月4日 23時22分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/163729