ロシア軍による侵攻を受け、ウクライナに住むアフリカなど出身の外国人労働者、留学生らも隣国に続々と避難している。人生を一変させられた彼らに今、人種差別の不安が広がりつつある。

 「本当に長い旅だった」。ウクライナ国境近くのポーランド南東部プシェミシル。駅の片隅で1日、パイラ・クリスベルさん(33)が立ち尽くしていた。

 武装勢力による略奪が続く祖国、アフリカ中部コンゴ民主共和国を離れ、12年前、ウクライナ第2の都市ハリコフに移り住んだ。現地で技術を身につけ、ITエンジニアとして働いた。

 だがロシア軍は2月24日からハリコフにミサイル攻撃を開始。パイラさんは翌朝、「このままでは死ぬかもしれない」と感じ、スーツケース一つで住み慣れた町を飛び出した。

 車で首都キエフに到着後、西部リビウに列車で向かう時、差別を実感した。避難民が押しかけたホームで、当局はウクライナ人を優先して乗車させ、黒人の乗車を妨害したという。リビウからポーランド行きの列車に乗り換える際も、同じことが起きた。長時間待たされ、…(以下有料版で,残り2252文字)

毎日新聞 2022/3/5 06:00(最終更新 3/5 06:00) 有料記事 2699文字
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