夏の参院選に向け、共に旧民主党の流れをくむ立憲民主党と国民民主党による「仁義なき戦い」が勃発している。今月10日に宮崎選挙区で国民が立憲に対抗馬を立て、初めて改選数1の「1人区」で競合。対する立憲は、国民現職がいる山形、大分両選挙区(共に改選数1)に対抗馬を擁立する構えを見せるなど「抗争」は激化の兆しを見せている。

 立憲は8日、宮崎選挙区の公認候補として、NHK宮崎放送局で気象キャスターを務めた新人、黒田奈々氏(48)の擁立を決めた。すると、国民は10日に衆院議員秘書の新人、黒木章光氏(44)の擁立を発表。連合宮崎を中心とした非自民団体は10日に会議を開き、参院選に向けた野党連携について話し合う予定だったが、両党の対決姿勢が強まる中で中止となった。

 宮崎選挙区には共産も新人の白江好友氏(33)を擁立する構えで、立憲の県連幹部は「右手で国民、左手で共産と調整をしないといけない」と頭を抱える。

 宮崎では元々、立憲と国民の関係は良好だった。県議会では同じ会派を組み、昨年の衆院選では1区立憲、2区国民、3区共産と候補者をすみ分けた。1区では立憲の渡辺創氏が当選を果たし、2区では国民の長友慎治氏が比例代表で復活を遂げた。長らく野党議員のいなかった保守王国で2人の国会議員が誕生し、「参院選に向けた追い風となる」と地元の立憲幹部は期待していた。

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毎日新聞 2022/3/16 20:45(最終更新 3/16 20:48)
https://mainichi.jp/articles/20220316/k00/00m/010/318000c