成年に当たり、皇居・御所で17日、初めての記者会見に臨んだ天皇、皇后両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは手元の紙に目を落とすことなく、一つ一つの質問に丁寧に回答された。約30分間に及んだ会見では、「一番近くで寄り添ってくれる」という両陛下への感謝とともに、新型コロナウイルス禍の学生生活や平和への思いについても言及された。

「生んでくれてありがとう」。愛子さまは、成年を迎えて両陛下に伝えたいことを問われ、皇后さまが愛子さまの誕生の際に会見で述べられた「生まれてきてありがとう」との言葉を踏まえ、感謝の気持ちをこのように表現された。

愛子さまは時折笑顔をのぞかせながら、自身にとっての両陛下を「私の喜びを自分のことのように喜び、私が困っているときは自分のことのように悩み、親身に相談に乗ってくれる」とし「かけがえのない有り難い存在」と明かされた。

会見では、現在の社会情勢にも質問が及んだ。ウクライナの現状には「多くの命が失われていることに、非常に心を痛めております」とご言及。天皇陛下が2月の記者会見で述べられた「人と人との交流が、国や地域の境界を越えて、お互いを認め合う、平和な世界につながってほしい」との言葉を引用し、「私もこの考えと同じ思いでございます」と述べられた。また、コロナ禍で自身も大学の授業をオンラインで受けるなど、影響が出ていることについて「少しでも不安の少ない環境で、皆が有意義な学校生活を送ることのできる未来が待っていること」を願われた。

一方、愛子さまが関心を寄せている事柄についての質問には、大学で学んでいる古典文学に加え、国内外で自然災害の被害が増える中、「ボランティアにも関心を持っております」とご紹介。「盲導犬や聴導犬といった働く動物たち」にも「動物好きの私といたしましては、心惹(ひ)かれる」と口にされた。

海外留学や大学院進学の希望を問われると「これからの大学生活を通して、知識を広げながら自分の興味を深めていく中で、決めていくことができれば」と述べるにとどめられた。結婚については「意識したことはございません」としつつ「一緒にいてお互いが笑顔になれるような関係が理想的」とも明かされた。

産経新聞 2022/3/17 18:59
https://www.sankei.com/article/20220317-PHZIQOUGL5N2TPH5CCL6RHZRJI/