韓国の次期大統領に決まった保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)氏が進める大統領執務室の移転が、表明の翌日に早くも暗礁に乗り上げた。文在寅(ムンジェイン)政権が21日、移転費用に見積もる496億ウォン(約49億円)について、尹氏が求める政府予算の予備費での執行を認めず、協力しない方針を固めた。

 尹氏は20日の記者会見で、大統領の執務室を現在の大統領府(青瓦台〈チョンワデ〉)から国防省庁舎内に移転すると表明した。就任する5月10日までに移転作業を終わらせる方針を示した。

 韓国大統領府によると、文大統領が出席した21日の国家安全保障会議(NSC)で移転案を協議した。北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返すなど朝鮮半島情勢が悪化するなか、「移転は安保の空白と混乱をもたらす恐れがあり憂慮される。十分に考える必要がある」との考えで一致した。移転費用を予備費で執行するには、閣僚が出席する国務会議での議決が必要だが、上程しない方針だ。

 尹氏には、「絶大な権力の象…(以下有料版で,残り159文字)

朝日新聞 2022年3月22日 7時30分
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