北朝鮮のミサイル発射について、海上自衛隊で司令官を務めた元海将の香田洋二さんに聞きました。

今回のミサイルの注目点は?
飛しょう距離です。

4000キロということですので、最近、北朝鮮が非常に数多く発射していたものとは違って、しっかりと弾道ミサイルで遠距離を撃った。

グアムまで届くことは十分に示したということなんで、まだ発表等はありませんが、火星12型というIRBM=中距離弾道弾か、それに近いものだろうという想定はできると思います。

これまでと何が違う?
2017年9月に日本列島を通過した火星12型は、北朝鮮はグアムに届くものだと言ってたんですが、グアムには届かない飛しょう距離だったんです。

世界の軍事専門家としては、燃料と弾頭重量との振り分け等をうまくやれば、グアムまで届くということではありますが。(略)

疑問の余地がなく、いわゆる弾道飛行で4000キロ級を示したということだと思います。

今回の飛しょう距離の評価は?
4000キロというのが事実としますと、比較的重い弾頭も積めるということなんです。燃料をちょっと減らして。

グアム島を想定するということで言いますと、北朝鮮からですと4000キロちょっとでも十分届きますので、あまり燃料を心配せずにしっかりとした弾頭も積める、ひょっとしたら核まで積める、そういうところまで示している。

われわれはそういうふうに想定する必要があるということですね。

技術力は上がっている?
(略)私は今アメリカにいるんですが、アメリカの専門家なんかは、やっぱり4000キロに満たないものは戦力じゃないよということを堂々と言ってました。

今回、青森県の東側4000キロということで、日本海の1300キロぐらいを考えますと、5000キロを超える、5500キロとかそのあたりということになってきますと、それはIRBMということです。(略)

今後の北朝鮮の出方は?
北朝鮮に残ってる宿題はですね、ICBM=大陸間弾道ミサイルをロフテッド軌道でしか撃ってないんですね。

アメリカの友人の専門家に聞くと、ロフテッド軌道は実弾道とは全然違うんで、本当にアメリカに対してものを言うのであれば、きちっと1万キロを飛ぶということについて、いわゆる通常用の射程で1万キロを飛ばす必要があるということは、一般論として言ってます。

次、ひょっとしたら最新型、火星17型、こういうものを含めたものを1万キロ超えて撃ってくるということについてはありうると、必ずあるとは言いませんけれども、覚悟しておく必要があるんだろう、あるいは準備をしておく必要があるんだろうというふうに考えます。

MHK 2022年10月4日 12時36分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221004/k10013847511000.html