東京インサイド
比嘉展玖2022年11月8日 9時00分

 池の水を抜いて環境を整える「かいぼり」の先駆地となった井の頭公園(東京都三鷹市・武蔵野市)の井の頭池に、新たな課題が生じている。前回の実施から5年。
一度は外来魚を駆除し、水質は改善されたが、今は「侵略的外来種」の水草が池を覆い尽くしている。何が起きているのか。

 「エビだ!」。子どもたちから歓声があがった。井の頭池で10月中旬、ボランティアグループ「井の頭かいぼり隊」が開いた観察会。かいぼり後に増えた在来種のヌカエビやギンブナを紹介すると、子どもたちの視線が集まった。




〈かいぼり〉農業用ため池の伝統的な管理方法で、農閑期の冬に池の水を抜いて底を干し、魚を捕ること。池底の泥をさらって貯水容量を確保し、水質の悪化を防ぐ。
泥は肥料として畑に入れ、捕れた魚は食料とした。現在は仕様を変え、外来種の駆除や水質改善、水草の再生など生態系の回復を目的に、環境NPOなどが各地で実施している。
水抜きから天日干しなど含めて3カ月くらいかかる。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQC74641QBNUTIL00F.html