裁判での工藤氏の証言によると、2012年頃から工藤氏への専用ブラウザのロイヤリティが支払われなくなったという。収益はジム氏の名義で行われてきていたが、ジム氏から約束のロイヤリティが支払われなくなった。ジム氏に問い合わせるも、この問題はいっこうに解決しなかった。

 西村氏は別の裁判で「当時、ジムはお金に困っていた」と証言している。理由はわからないが、ジム氏は、この当時フィリピンで豚農場やオーガニックビジネスを展開していたころだ。

 このタイミングで起きたのが、「2ちゃんねる個人情報流出事件」である。専用ブラウザの課金情報に関連するユーザー情報が、どこからか流出したのである。これにより約4万人分のクレジットカード番号や顧客情報と、それに紐づけられた書き込み履歴が公開されてしまった。これにより、2ちゃんねるのコアコンピタンスともいえる匿名での書き込み情報の一部が公開されてしまうことになる。

 これによって専用ブラウザの課金ビジネスは停止されるが、再開の準備を進めるジム氏に対し、ロイヤリティが支払われていない工藤氏や、独自の課金制度を導入していた、西村氏が役員を務める未来検索ブラジル社は、ジム氏がこれ以上の専用ブラウザの主導権を握ることを拒否し、新しい専用ブラウザと課金システムをつくりはじめた。そのため、専用ブラウザの収益源をジム氏は失うことになりそうだった。そこで“クーデター”が起きた。これが2ちゃんねる乗っ取りの経緯である。

ほうほう
なるほどなすがいむwwww