家を借りたくても貸してもらえない――。家賃不払いの懸念や保証人がいないなどの理由で、住まいの確保に苦労する女性たちがいる。

 シングルマザーや頼れる人のいない若者、困窮する留学生……。そんな女性たちを支援しようと、低家賃の共同住宅(シェアハウス)を
整備する計画が神戸市で始まった。NPO法人が発案し、生活協同組合が空き部屋を提供する異例の取り組みは「住まいの貧困」を救うヒントになるか。

 「やっぱり貸せない」。神戸市の女性(43)は2年前、アパートの賃貸契約を交わす直前で、大家から入居を断られた。
女性はパート従業員で、小学生から高校生までの3人の子どもを育てていた。家を探していたのは、元夫のドメスティックバイオレンス(DV)
から逃れるためだが、断られるのは6回目だった。

 元夫は定職に就かず、家事や育児は女性任せ。子どもが泣くと、壁をたたいたり暴言を吐いたりした。女性は知人から
支援団体を紹介され、別居を決意した。
 20カ所以上の物件にあたり、ようやく家賃5万2000円のアパートに移り住むことができた。母子4人には狭いが、我慢するしかなかった。
「金銭的な不安もある中、心と体を守れる安全な場所にたどり着くための負担が大き過ぎる」と女性は振り返る。

●劣悪な住環境、行政「もっと働けば」
 兵庫県の自営業の女性(44)も数年前、元夫と別居するため長男を連れて家を出た。ホテルや民宿を転々とした後、家賃6万円の
ワンルームを借りた。保証人は不要だったが、築30年で床や水回りが汚れ、壁も薄い。幼い長男の泣き声が漏れないか神経を使った。
 当時の貯金は約100万円。食費は1日1000円に切り詰めたが、日々残高が減る不安でいっぱいだった。行政の相談窓口も頼ったが
「もっと働けばいい」「(家を出たのは)ご自身の選択なので」と突き放され、孤立を深めたという。
 厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると、貧困層の割合を示す相対的貧困率はひとり親世帯で48・1%に上り
全世帯(15・4%)の3倍超。家賃不払いへの懸念などから、シングルマザーが入居を拒否されるなどの事例は後を絶たない。
 神戸市の認定NPO法人「女性と子ども支援センター ウィメンズネット・こうべ」は1992年の設立以降、こうした女性らを支援。
19年には住宅セーフティーネット法に基づき、所得が少ない▽保証人を確保できない――などの理由で住居確保が困難な人を支援する
「居住支援法人」の指定を県から受け、200件以上の相談に応じてきた。
 中には夫のDVや親の虐待から逃れて一時保護された後、落ち着き先を探している人もいるが、低家賃の物件は住環境が悪かったり
防犯対策が甘かったりして、安心して暮らせない場合もあるという。

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毎日新聞 2022/12/11 08:00
https://mainichi.jp/articles/20221207/k00/00m/040/220000c