流通経済研究所は12月7日、商習慣の見直しによる食品ロス削減に取り組んでいるメーカーなどの事業者を公表した。
この中で、加工食品の納品期限緩和(賞味期限の3分の1を経過した商品を小売店舗で扱わない「3分の1ルール」の見直し)は
240社に上り、前年から54社増えた。

賞味期限表示の大括り化(日付ではなく月や旬で表示)も44社増の267社に達した。
2012年以降に賞味期限延長に踏み切ったのは182社、メーカーが賞味期限を決める際の基となる「安全係数」を国が推奨する
80%以上で運用しているのは174社。フードバンクに余った食品の提供などを実施しているメーカーや卸・小売業などは243社だった。
いずれも今年10月現在で、社名公表の許諾を得られた企業を対象としている。実施予定ありの企業も含む。
同研究所は「加工食品の店舗への納品期限緩和により、飲料と賞味期限180日以上の菓子だけで全国で約4万t(約80億円)の
食品削減につながると試算されている」と指摘。賞味期限表の大括り化は検品時間減少で積み下ろし時間が減るため、トラックの
回転率向上や月別管理への移行による倉庫スペースの利用効率化やトラック積載率向上が期待されると分析している。
さらに、「人手不足が深刻なトラックドライバーや店舗スタッフの負担軽減のほか、消費者の鮮度意識を助長しない効果もある」
と解説。メーカーや卸・小売業者に一層の対応を呼び掛けている。(藤原秀行)

LOGI-BIZ online 2022.12.12
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