鳥インフル殺処分120万羽超・物価高も直撃「価格の優等生」卵価格に影響 10%値上がりの商品も[12/12 19:48]
MBC南日本放送
https://www.mbc.co.jp/news/article/2022121200061438.html
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高病原性鳥インフルエンザの疑い事例が鹿児島県内の養鶏場で相次いでいて、今シーズンは昨シーズンの3倍の9例、殺処分の数は120万羽を超えました。そこにコスト上昇も重なり、「物価の優等生」と呼ばれる卵の価格にも影響が出始めていて、最大で10%ほど値上がりした商品もあります。

出水市高尾野町の養鶏場では、県内で今シーズン9例目となる高病原性鳥インフルエンザの疑い事例が確認され、11日から9万6000羽の殺処分が進められています。

今シーズンの県内の疑い事例9例は、いずれも出水市内の鶏卵用の養鶏場で、殺処分されるニワトリは合計で120万羽余りになる見込みです。

これは県全体で飼育されている鶏卵用のニワトリ1173万羽のおよそ1割、全国有数の養鶏産地・出水市で飼育されている鶏卵用のニワトリ289万羽のおよそ4割にあたります。

(記者)「出水市で相次ぐ高病原性鳥インフルエンザの発生。県内の加工品業者にも影響が出ています」

卵や卵豆腐、出し巻き卵などの加工品をスーパーや飲食店に販売している鹿児島市南栄のココ・ファーム。取引する鶏卵のうちおよそ15%を出水市で生産していて、入荷が減っているといいます。
そして、飼料や資材の値上がり、さらに輸送コストの上昇も重なり、すでに最大で10%値上げした商品もあるといいます。

(ココ・ファーム 野村瑞樹・製造部部長)「やはり鶏卵の入荷が減っていて、お客様に供給する卵が心配。資材や包材のコストの上昇が大きい。後は物流や人件費の高騰などが要因となっている」

ココ・ファームでは南薩や大隅などにも卵の生産拠点はあり、流通が止まる状況ではないとしています。

ただ、12月はクリスマスケーキや正月のおせち料理などで卵の需要が通常より10%ほど増える時期。感染が拡大し続けると、需要と供給のバランスがさらに大きく崩れるおそれもあると警戒しています。

(ココ・ファーム 野村瑞樹・製造部部長)「値上げの方は鳥インフルエンザの収束が不可欠。できる対応としては、農家、関係者と協力して情報交換し、鳥インフルエンザが広がらないように気を付けていくことが大切。県内の供給量を極力維持することで頑張っていきたいと思う」

今シーズンの9例の養鶏場はいずれも数キロ以内の範囲内にあり、すでに防疫措置を終えた養鶏場でも近くで新たな疑い事例が確認され、飼育が再開できない状況が続いています。

卵の流通にも影響が出る中、さらなる感染拡大を防ごうと、警戒が続いています。