新型コロナウイルスの感染が拡大する「第8波」の影響で、医療に必要な献血が神奈川県内で厳しい状況に陥っている。県赤十字血液センターの担当者は「安定した輸血に影響を及ぼしかねない。足を運んで、命の支えになっていただけたらありがたい」と協力を呼びかけている。【池田直】

 センターによると、全血献血では10月は必要な1万7905人分(400ミリリットル換算)を上回る1万7948人分を確保した。ただ、県内の新型コロナ感染者は10月中旬以降、増加傾向が続き、次第に協力者も減少しているという。11月は必要量1万7776人分に対し、約93%に当たる1万6447人しか集まらなかった。約1300人分の不足分は他県から融通してもらうなどして乗り切った。

 新型コロナの流行が始まって以降、献血確保は過去にも危機的な状況に陥っている。緊急事態宣言が初めて発令された2020年4月には目標より約2700人分も不足。「第7波」の今年8月も約1400人分が不足した。センターの担当者は「感染状況に左右されてしまっている」と頭を抱える。

 センターが横浜市西区で運営する「横浜Leaf献血ルーム」も来場者が減っている。新型コロナに感染した場合、献血できるようになるには症状が消えてから4週間が経過しなくてはならない規定もあり、不足に拍車をかけているという。

 センターは急きょ、献血バスを人通りの多い場所に出動させたり、献血経験者に電話依頼をしたりして対応。12月は12日時点で目標をほぼ達成しているものの、災害などに備えて余剰分も必要という。

 担当者は「寒さが強い冬場は献血の協力者が少なくなる傾向があり、一方で寒さなどで心疾患の治療が必要となるケースが増えて需要が高まる。ぜひ協力していただきたい」と危機感を募らせている。

毎日新聞

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