【台北=共同】台湾の事実上の首都、台北市で8日、立法委員(国会議員)の補欠選挙が行われ、最大野党、国民党の王鴻薇氏が与党、民主進歩党(民進党)の呉怡農氏を破った。中央選挙委員会が明らかにした。民進党は昨年11月の統一地方選での大敗に続く敗北。来年1月に予定される総統選に向けた立て直しを迫られている。

中台関係について「現状維持」を主張する蔡英文政権は「(中台は)互いに隷属しない」として、中国が求める「一つの中国」を拒否。中国の習近平指導部は、蔡氏が呼びかける「対等な対話」に一貫して応じていない。総統選での民進党追い落としのため、台湾世論の分断を図る「認知戦」を強化する構えだ。

対中融和路線の国民党の朱立倫党主席(党首)は「われわれが団結した結果だ」と勝利を誇示。民進党の党主席代理、陳其邁・高雄市長は「党の方針を調整する」との談話を発表した。

補選は昨年の統一地方選で台北市長に当選した国民党の蔣万安氏(昨年12月就任)の立法委員辞職に伴い実施。蔣氏は台湾を独裁支配した蔣介石のひ孫。この選挙区は公務員や元軍人など伝統的に同党支持者が多く、2016年、20年の蔣氏を含め同党が4連勝していた。

2023年1月8日 21:24
日経新聞新聞

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