2023年1月18日 19時06分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230118/k10013953231000.html

去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者は、前の年から15倍以上増えましたが、新型コロナの感染拡大前の2019年に比べて、およそ12%の水準にとどまっています。

日本政府観光局によりますと、去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者は推計で383万人余りと、前の年の24万人余りと比べて15倍以上、増えました。

中でも、政府による新型コロナの水際対策の緩和が、本格的に始まった9月から12月の旅行者数が全体の8割近くを占めています。

国や地域別では、ビザなしでも往来できるようになった韓国が最も多く、101万人余りと全体の3割近くを占めています。

次いで台湾が33万人余り、アメリカが32万人余りとなっています。

ただ、感染拡大前の2019年は全体の3割を占めていた中国からの旅行者はおよそ18万人と少なく、全体の外国人旅行者数も感染拡大前のおよそ12%の水準にとどまっています。

こうしたことから、十分な感染対策を講じながら外国人旅行者を受け入れる環境を整備し、いかにインバウンドの需要を取り込んでいくかが今後の課題となります。
観光庁長官「堅調に回復」
観光庁の和田浩一長官は、去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者が、前の年の15倍以上に増えたことについて、18日の会見で「水際措置の大幅な緩和や円安の効果で中国からの旅行者を除いて堅調に回復している」と述べました。

そのうえで、今後のインバウンド需要の回復については、「感染状況や国内外の水際措置の在り方など、コロナの影響を見通すことは大変難しいが、円安のメリットを生かして、速やかに訪日外国人の旅行消費額の5兆円の達成を目指していきたい」と述べました。

一方、観光需要の急速な回復に伴う各地の宿泊施設などでの人手の状況について、和田長官は「需要がどんどん回復する中で、人手不足感が高まってきている」と述べました。

そのうえで、「賃金水準をはじめとした待遇向上を図り、よい人材確保のために環境を改善していくことが重要だ」と述べ、宿泊施設でのDX=デジタル変革を国として支援するなどして競争力を高め、賃金の向上につなげることが重要だという認識を示しました。