太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、裁判の原告の女性の1人が韓国のソウルで記者会見し、韓国政府が示した解決策の案に関連して、日本政府内で検討されている、過去の総理大臣談話の内容を改めて伝える案では謝罪として不十分だという認識を示しました。

「徴用」をめぐる問題で、裁判の原告の1人のヤン・クムドク(梁錦徳)さんは、ソウルで外国メディア向けに記者会見を行いました。

この問題では韓国政府が先月、解決策の案を示す一方、韓国側が日本側に「誠意ある措置」を求めていることを踏まえ、日本政府内で植民地支配や侵略への反省とおわびを表明した過去の総理大臣談話の内容を改めて伝える案などが検討されています。

これについてヤンさんは「私が死ぬ前に日本から謝罪を受けたい」と述べ、代理人の弁護士は「過去の談話は『徴用』の問題での謝罪としては評価できない」と指摘し、謝罪として不十分だという認識を示しました。

これに先立ち、国会では韓国政府の案に反対する野党議員らおよそ50人が新たな会を立ち上げ、ヤンさんも出席する中、政府案の撤回を求めていく方針を確認しました。

韓国政府の案をめぐり、日韓の外交当局の間では問題の解決に向けた協議が活発になっていて、この週末には両国の外相による会談も調整されていますが、ヤンさんをはじめ、政府案に反発する原告は態度を硬化させています。

NHK 2023年2月16日 18時31分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230216/k10013982651000.html