インターネットバンキングで振り込もうとしたら、金額のケタが勝手に増えた――。パソコンを遠隔操作され、多額の現金を送金させられる被害が起きている。兵庫県内の被害額は計約300万円に上る。県警は新たな詐欺の手口とみて注意を呼びかけている。

 伊丹署によると、伊丹市の80代男性のパソコン画面に1月、「ウイルスに感染しました」と表示された。

 画面の表示に従って自宅の電話番号を入力すると、マイクロソフトの社員を名乗る男から電話があり、指示通りにURLや6桁の数字を入力した。これは後に、市販の遠隔操作ソフトのインストール手順だったとわかる。

 指示は続く。ウイルス解除費用を要求され、男性はネットバンキングで1万円を振り込み、さらに手数料名目の490円を振り込もうとした。

 その時、男性が目を離した隙に遠隔操作で振込金額に「0」が三つ加わり、49万円が送金された。

 翌日にも洲本市内の50代女性が同様の手口で約250万円をだまし取られた。犯人側が被害者と同じパソコン画面を見ながら、送金直前に「0」を書き加えているとみられる。

 ウイルス感染の偽警告で焦らせ、復旧費用を払わせる手口は、近年相次ぐ「サポート詐欺」と重なる。

 県警によると、昨年県内で認…(以下有料版で,残り195文字)

朝日新聞 2023年3月6日 8時43分
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