【ソウル=共同】安全保障上の機密を含む米国の文書が流出したとされる問題で、米紙ニューヨーク・タイムズは8日、米当局が韓国政府内の通信を傍受していることを示す文書も流出したと報じた。韓国大統領府は9日「米側と必要な協議を行う」と表明した。

同紙によると、文書にはロシアの侵攻を受けるウクライナを支援する米国に、韓国が砲弾を売却することを巡る韓国政府高官らの発言が記されている。

韓国は「ウクライナに殺傷兵器を提供しない」との方針を堅持し、あくまでも米国の不足分を補う形で砲弾を輸出した。文書には尹錫悦大統領がバイデン大統領から直接電話を受け、兵器供与に関し何らかの圧力をかけられることを危惧していたことが記されていた。

尹氏は4月下旬に国賓として訪米する予定で、尹政権高官は武器供与が「取引」と映ることを懸念していた。

3月に辞任した金聖翰前国家安保室長は「ウクライナへ素早く砲弾を届けることが米国の最終目的」だとの考えから、米国でなくウクライナの隣国ポーランドに砲弾を売却する可能性にも言及していたという。

日本経済新聞 2023年4月9日 23:17
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB094850Z00C23A4000000/