2023.05.14(Sun)
「MayukoとJapanのためにあえて言う」欧州の外交官から受けた忠告 豊田真由子が広島サミットを前に思うこと 世界には多様な価値観や立場がある

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子






G7巡り苦い経験

5月19日から、G7サミット(主要国首脳会議)が広島で開かれます。準備に尽力される多くの方々に敬意を表した上で、思うところを少し申し述べたいと思います。それは、「G7は、G7以外の国々には、どう見られているか?」ということです。これについて、私は少々苦い経験があります。

スイス・ジュネーブで、WHO(世界保健機関)担当の外交官として仕事をしていたとき、日本では洞爺湖サミット(2008年7月)が開催されることになっていました。
本国からの公電の中には、様々な国際会議において、「『今年、日本がG7の議長国であること』に触れるように」との指示があり、私は特に疑問を持つことも無く、会議で発言する際には、本論に入る前に、都度その枕詞をつけていました。

ある日の会議の後、欧州のとある国の、普段から親しくしている外交官に言われました。

「MayukoとJapanのために、あえて言うけど」と前置きをし、「『G7、G7』って、あまり言わない方がいいと思うよ。考えてみて。G7というのは、ここ(WHO)にいる193カ国の国連加盟国のうち、一部の先進国、さらにそのまた一部の7カ国が、勝手にやってることで、うちも含め、ほとんどの国には関係のないことなんだよ。
それなのに、その7カ国が、あたかも世界の秩序を作って、世界を引っ張っていっているように思うのは、やめた方がいい。」と言われ、私はハッとし、そうかもしれない、と痛切に思いました。

それを受け、G7の他の構成国の外交官たちにも、聞いてみました。そうしたら、「まあ、それはそうだよ。だから自分は、(G7以外の国が集まる)会議で、G7の話はしないし、そもそも、自国がG7の議長国の年だからといって、特にどうということも、あまりないかな。」と言われ、なるほど…と思いました。






G7の歴史と現状
https://maidonanews.jp/article/14907226