中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)が自動車保険の保険金を水増し請求していた問題で、兼重宏行社長ら経営陣が、不正に関する内部告発を受けながら放置していた疑いがあることが分かった。その後、外部の指摘を受けて行った調査では、修理件数の4割強で不適切とみられる行為が見つかるなど、組織ぐるみの不正だった疑いが強まっている。過大請求を受けた大手損保関係者は憤りを隠さない。

 ビッグモーターは顧客から事故車の修理を請け負った際、わざと車に傷をつけたり、不要な部品交換をしたりし、修理費を水増しして保険会社に請求していた疑いがある。

 弁護士ら外部の専門家による同社の特別調査委員会は、5日までに報告書をまとめた。ただ、同社はその内容を公表せず、朝日新聞の取材にも応じていない。

 内容を知る関係者によると、報告書には、店舗の従業員が2022年、現場での不適切な行為について社長らに内部告発したと記載されていた。しかし、社長らは職場内の確執による告発だとみなし、特に調査を指示しなかった。報告書は「告発をもみ消したと言わざるを得ない」と指摘しているという。

「ゴルフボールを靴下に入れて振り回し…」
 同社が特別調査委を立ち上げ…(以下有料版で、残り1096文字)

朝日新聞 2023/7/15 7:00
https://www.asahi.com/sp/articles/ASR7G61BKR7GULFA00J.html?iref=sptop_7_01