仙台市消防局は28日、宮城消防署(青葉区)の救急隊員が27日に救急車の鍵を取り違え、別の救急車を出動させたため現場への到着が14分遅れたと発表した。青葉区の80代男性は搬送先の病院で同日に死亡した。

 市によると、病院の医師は搬送時の状況や年齢から「到着遅れと死の因果関係はないと考えられる」としているという。

 消防局によると、27日午前7時半ごろ、近くの住民が意識のない状態で倒れている男性を自宅で見つけ、別の住民が119番した。救急隊員が別の車両の鍵を救急車に差し込み、エンジンがかからなかったため故障と判断。代わりに青葉消防署(青葉区)の救急車が現場に向かい、午前7時51分に到着した。ミスがなければ同37分に着く予定だった。

 市役所で記者会見した武藤浩二救急担当部長は「救急活動に信頼を寄せている市民におわびする」と陳謝。救急車の鍵とハンドル付近に同じ色のテープを貼り、取り違えが起きないように徹底するとした。

河北新報 2023年7月29日 6:00
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