東京都の小池百合子知事の2期目の任期満了まで、30日で残り1年。2024年夏に行われる予定の知事選では小池氏の3選出馬が焦点となるが、関係者の間では出馬を確実視する向きが多い。一方で各党の候補者擁立に向けた具体的な動きは鈍い。
 小池氏は16年の都知事選で、自民、公明両党などの推薦候補らを破り初当選。再選を果たした20年の知事選では、12年の猪瀬直樹氏に次いで歴代2位となる約366万票を獲得して圧勝した。
 2期目では新型コロナウイルス感染拡大や、緊急事態宣言下での東京五輪・パラリンピックに対応。脱炭素化のため新築住宅などに太陽光パネル設置を義務付ける制度の創設も打ち出した。
 子育て支援にも注力。第2子の保育を無償化するほか、来年1月からは所得制限を設けず子ども1人当たり月5000円を給付する事業を始める。都関係者は「小池氏は24年度当初予算でも大胆な施策を打つのではないか」と語る。
 小池氏は21日の定例記者会見で3期目について「何か言わせたいのは分かるが、都政の改善などを進めていくことに注力したい」と明言を避けた。ただ、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の幹部は「小池氏が出る前提で準備する」と話し、立憲民主党も「十中八九出る」(同党都議)と予測する。
 自民党は前回、都連が独自候補の擁立を模索したが断念し、自主投票を決めた。来夏に向けた動きは「何もない」(同党都議)。今春の統一地方選で躍進した日本維新の会は独自候補を立てる意向。前回都知事選では推薦候補が約60万票を獲得したが、人選を進めて東京での党勢拡大を狙い、上積みを目指す考えだ。

時事通信 2023年07月30日07時04分
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